==== R言語とは ==== === Rはインタプリタ === 次の1行は、Rで書いたHello, World!です。 print("Hello, World!") Rは関数型プログラミング言語であり、またオブジェクト指向言語です。 Rのコードにはmain関数やメインルーチンがありません。 インタプリタとしてのソフトウェアRにコードを読ませれば、即座に実行されていきます。 Rコンパイラの要望があった時代もありましたが、現在ではインタプリタ=遅いという印象も払拭され、多くの言語は、その実装方針のまま受け入れられるようになっています。 === Rでできること === 統計学に基づくデータの分析やシミュレーションは、およそすべてRで実行できます。 機械学習の手法の多くも、Rで実行できます。 === Rが苦手なこと === 並列分散処理、特に大規模なものは、控えめに言えば得意でない、中立的に発言すると苦手、積極的に発言すると、かなり困難です。 === Rはデータサイエンス用ソフトウェア === Rは[[https://r4ds.had.co.nz/index.html|データサイエンス用のソフトウェア]]です。[[https://online-learning.harvard.edu/course/data-science-r-basics|Harvard Universityのオンラインコース]]でも、[[https://ja.coursera.org/specializations/data-science-foundations-r|John Hopkins Univesityのオンラインコース]]でも、用いられています。 === RはPythonよりも古くはない === Rが古く、Pythonが新しい、という雰囲気の話を耳にすることがあります。しかし開発開始から数えれば、[[https://en.wikipedia.org/wiki/R_(programming_language)|Rの最初の公開は1993年]]で、[[https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Python|Pythonの最初の公開は1991年]]ですから、Pythonの方が先輩です。参考までに、言語としてRの原典にあたるS言語は、両者よりもずっと古く、[[https://en.wikipedia.org/wiki/S_(programming_language)|最初のリリースは1976年]]でした。 === RよりPythonの方がかっこいいかもしれません === Matplotlibを始めに、Pythonの幾つかのサードパーティが提供するライブラリやモジュールのグラフ描画機能は、センスがよく、商業レベルに近い緻密さを持ちます。 例えばWordCloudは、今ではRでも描くことが可能ですが、もともとはPython発でした。 Rのグラフ描画機能も柔軟ではありますが、Pythonが醸し出す格好よさには追いつけていません。 そのため主にRを使っている人でも、Pythonも使ってみることをお勧めします。 === Rのコアチームの開発方針は堅い === R言語はS言語の方言です。開発に当たって、頑固な後方互換性を原則としています。仕様の変更は滅多に行われません。そのため、何年も前に書いたコードは、今でも問題なく動きます。 === Rの拡張はサードパーティが担う === 仕様の拡張はサードパーティにより、適宜行われています。機能の拡張もサードパーティにより、とても頻繁に幅広く行われています。Rの開発にかかわるサードパーティの多くは、様々な分野の研究者であり、Rの発展は彼らからの社会貢献と捉えることもできます。 === RはGUIを持つ === WindowsとmacOS用に提供されているRのバイナリアプリケーションは、簡易なGUIを持ちます。 Tcl/Tkを同梱しているので、Tkを用いたGUIの構築も可能です。 Linux用のソフトウェアとしてのRは、コンソール用のソフトウェアです。 === R用のIDEはRStudio === R用のIDEは[[https://www.rstudio.com/|RStudio社]]から無償で提供されています。 [[https://rkward.kde.org/|RKWord]]はQtベースのIDEです。 [[https://www.eclipse.org/|Eclipse]]もRに対応しています。 [[https://jupyter.org/|Jupyter]]もRをサポートしています。 === R用のエディタ === Emacsを使う人は、ESSが必須でしょう。