文書の過去の版を表示しています。


モーメント法・最尤法

これはRを用いて計算が可能である。

データの与え方
X.raw <- c(1,0,1,0,0,1,1,1,0,1,0,1,1,0,1,0,0,0,1,1,0,0,1,1,1,0,0,1,0,0,1,0)
点推定と区間推定
n <- length(X.raw)
p.hat <- sum(X.raw)/n
var.p.hat <- p.hat*(1-p.hat)/n
cat("\n", "Point Estimate of p:", p.hat, "\n", 
    "Sample Variance Estimate of p:", var.p.hat, "\n", 
    '95% Confidence Interval:', p.hat-pnorm(1-0.25)*sqrt(var.p.hat), 
    "<=p<=", p.hat-pnorm(0.25)*sqrt(var.p.hat), "\n", "\n")

ベイズ法

この計算は、WinBUGSというソフトウェアを用いるのが簡単である。

データの与え方
DATA list {n=32, x=c(1,0,1,0,0,1,1,1,0,1,0,1,1,0,1,0,0,0,1,1,0,0,1,1,1,0,0,1,0,0,1,0)
点推定と区間推定

モデルと事前分布と初期値の指定。

MODEL model {
  for ( i in 1:n ) {
    x[i] ~ dbin(p,1)
  }
  p ~ dgamma(2,3) # objective prior 
  # p ~ dgamma(1,1)  # flat prior
}
INIT list {p=0.5}

ここから先の手順は、多少複雑で

  1. 事後分布を得るためのWinBUGSのコードを読み込ませる (〔Model〕→〔Specification〕)
  2. モデルを読み込ませる (上で書いたコードのうちmodelをマウスで指定してから、〔Specification Tool〕→〔check model〕、成功すると ``model is syntactically correctと表示される) - データを読み込ませる (上で書いたコードのうち、データの記述に相当するlistをマウスで指定してから、〔Specification Tool〕→〔load data〕、成功すると ``data loaded)
  3. 走らせるマルコフ連鎖の本数を指定する (〔Specification Tool〕→〔num of chains〕)
  4. コンパイルする (〔Specification Tool〕→〔compile〕、成功すると ``model compiled) - 初期値を指定する場合、読み込む (〔Specification Tool〕→〔load inits〕、マルコフ連鎖の本数だけ実行する必要あり、不足分があると ``this chain contains uninitialized variables.)
  5. 初期値が不足している分は生成させる (〔Specification Tool〕→〔gen inits〕)
  6. 事後分布を得るためにマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)を走らせる準備をする (〔Model〕→〔Update〕、〔Inference〕→〔Sample〕
  7. モニターしたい変数をSample Monitor Toolに登録する (〔Sample Monitor Tool〕→〔node〕にすべての変数を、ひとつひとつ手で入力し、〔set〕)
  8. まずは1000歩、走らせてみる (〔Update Tool〕でupdatesに1000とタイプしてから、〔update〕) これはバーンインと呼ぶ準備である。多次元空間を一度に一次元方向ずつだけ移動する点の列なので、初期値の影響がなくなるぐらいまでまず走らせる (変数の数にもよるが、1000程度以上か)
  9. 次にまた9000歩、走らせてみてから、historyを眺めて、定常状態になったことを確認する。定常分布に収束できるとは限らないので、複数のマルコフ連鎖を走らせるほうが良い (chains>=2)、 各変数の履歴(history)を見て、定常分布に至っていることを確認する (ホワイトノイズに見えることが望ましい) などの注意を憶えておく。
  10. 本格運転 (〔Update Tool〕でマルコフ連鎖の歩を進め、〔Sample Monitor Tool〕で様子を眺める)
  11. 十分な長さだけ、マルコフ連鎖モンテカルロを走らせる ($50000$, $100000$, などともかく十分な長さ)
  12. 履歴(history)、直近の履歴(trace)、密度関数(density)、分位点の推移(quantiles)、などを眺めて、定常分布となっていることを確認 (〔Sample Monitor Tool〕の〔node〕欄に ``*'' を入力してから、各ボタンをクリックするのが便利) し、自己相関(auto cor)も確認し(妙なパターンがなく、滑らかに減少していれば良い、速く減少していればもっと良いがMCMCなので仕方ない)てから、事後分布を拾う
  13. 定常と判断した範囲(beg〜end)までについてstatsを表示させる (〔Sample Monitor Tool〕でbegの値を1ではなく、定常と判断した歩数に変更)

詳細はこのマニュアルに頼る。

ブートストラップ法

点推定は、モーメント法・最尤法と同じ。データの与え方も同じ。下記のコードで、ブートストラップによる分散の推定と、信頼区間の構成まで行える。

n <- length(X.raw)
B <- 100000
p.boot <- NULL
for( b in c(1:B) ) {
  X.boot <- sample(X.raw,size=n, replace=TRUE)
  p.boot <- append(p.boot, sum(X.boot)/n)
}
hist(p.boot)
quantile(p.boot, probs=c(0.025, 0.975))
cat("\n", "Point Estimate of p:", p.hat, "\n", 
    "Bootstrap Variance Estimate of p:", var(p.boot), "\n", 
    '95% Bootstrap Confidence Interval:', quantile(p.boot, probs=0.025), 
    "<=p<=", quantile(p.boot, probs=0.975), "\n", "\n")