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prob:2013 [2013/07/21 21:59] wataluprob:2013 [不明な日付] (現在) – 外部編集 (不明な日付) 127.0.0.1
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 とりあえず配付資料をアップロード。今年度はちゃんとしたノートになっているのは第10回目以降のみ。他については[[prob:2012|昨年度のノート]]や掲げた参考書の参照を薦める。 とりあえず配付資料をアップロード。今年度はちゃんとしたノートになっているのは第10回目以降のみ。他については[[prob:2012|昨年度のノート]]や掲げた参考書の参照を薦める。
 +
 +=== 期末試験 ===
 +
 +8月8日(木)の4限に2クラス合同で実施します。ただし「応用数学」(高橋先生)と「情報通信システム」(内海先生)の試験時間と重なるため、この二科目の履修者のみを対象に、5限から6限にかけて追加試験を実施することにしました。試験問題は本試験と追加試験は独立に作成します。
 +
 +追加試験の方を希望する学生は、木曜日中までに、掲示に従って連絡をお願いします。掲示は東地区の総合情報学科とシステム工学科の掲示板、西五号館一階の掲示板、にあります)
  
 === 配付資料 === === 配付資料 ===
行 27: 行 33:
 {{:prob:prob-d-note-and-quizzes-20130718.pdf|第13回}}: 正規分布 {{:prob:prob-d-note-and-quizzes-20130718.pdf|第13回}}: 正規分布
  
-第14回: 各種不等式と大数の法則と中心極限定理+{{:prob:prob-e-note-and-quizzes-20130725.pdf|第14回}}: 各種不等式と大数の法則と中心極限定理
  
 +{{:prob:prob-f-note-and-quizzes-20130801.pdf|追加}}: 試験範囲の追加に関するメモ
  
-=== 中間試験(4) ==+{{:prob:prob-g-final-exam-20120809-all.pdf|期末試験}}: 期末試験問題 
-1. + 
 +=== 確率表からの確率計算 === 
 + 
 +3つの確率変数(X, Y, Z)について、 
 + 
 +  - Xの周辺確率表 
 +  - Y|Xの条件付き確率表 
 +  - Z|Yの条件付き確率表 
 + 
 +の3つの確率表が与えられたとき、これらの確率変数に関する確率計算については 
 + 
 +  * (X, Y)の同時確率表は1.と2.から計算する 
 +  * (X, Y, Z)の同時確率表は1.と2.と3.から計算する 
 +  * Zの周辺確率は、一度、(X, Y, Z)の同時確率表を算出してからでないと計算できない 
 +  * Zを与えたときのXの条件付き確率表は、Zの値のところにだけ絞って、(X, Y, Z)の同時確率表を作るのが近道 
 +  * Zを与えたときのYの条件付き確率表も、Zの値のところにだけ絞って、(X, Y, Z)の同時確率表を作るのが近道 
 + 
 +などの助言は可能である。 
 + 
 +== 中間試験(4) ==
 <code> <code>
 1.  1. 
行 175: 行 201:
 </code> </code>
  
-=== 中間試験(5) ==+== 中間試験(5) ==
-1.  +
 <code> <code>
 1.  1. 
行 354: 行 378:
          = 1.375          = 1.375
 </code> </code>
 +
 +=== 中心モーメントの求め方 ===
 +== 直接計算 ==
 +
 +原点モーメントは、離散分布なら
 +
 +<jsmath>
 +m_k=E\left[X^k\right]=\int_{-\infty}^{\infty} x^k p\left(x\right)dx
 +</jsmath>
 +
 +連続分布なら
 +
 +<jsmath>
 +m_k=E\left[X^k\right]=\sum_{x=-\infty}^{\infty} x^k p\left(x\right)
 +</jsmath>
 +
 +で計算する。
 +
 +中心モーメントは、1次の中心モーメントは
 +
 +<jsmath>
 +\mu=\mu_1=m_1-m_1=0
 +</jsmath>
 +
 +2次の中心モーメント(分散)は
 +
 +<jsmath>
 +\sigma^2=\mu_2=m_2-{m_1}^2
 +</jsmath>
 +
 +3次の中心モーメントは
 +
 +<jsmath>
 +\mu_3=m_3-3m_2m_1+2{m_1}^3
 +</jsmath>
 +
 +など。また中心モーメントを求める際、期待値は自ら計算するにしても原点モーメントではなく
 +
 +<jsmath>
 +E\left[X\left(X-1\right)\right]
 +</jsmath>
 +
 +を求めて、
 +
 +<jsmath>
 +\sigma^2=\mu_2=E\left[X\left(X-1\right)\right]+m_1-{m_1}^2
 +</jsmath>
 +
 +とした方が都合が計算量が少なくなる確率分布もある。(幾何分布、ポアソン分布)
 +
 +== モーメント母関数からの計算 ==
 +
 +<jsmath>
 +M_X\left(t\right) = E\left[\exp\left(tX\right)\right]
 +</jsmath>
 +
 +が与えられていれば、
 +
 +<jsmath>
 +m_k = \left.\frac{d^k}{dt^k}M_X\left(t\right)\right|_{t=0}
 +</jsmath>
 +
 +で求めることができる。代入して不定になるなら、
 +
 +<jsmath>
 +m_k = \lim_{t\rightarrow 0}\frac{d^k}{dt^k}M_X\left(t\right)
 +</jsmath>
 +
 +をロピタルの定理を用いて求める。ロピタルの定理は
 +
 +<jsmath>
 +\lim_{t\rightarrow 0}{a\left(t\right)} = \lim_{t\rightarrow 0}{b\left(t\right)} = 0 \,\, \pm \infty
 +</jsmath>
 +
 +のときに、
 +
 +<jsmath>
 +\lim_{t\rightarrow 0}\frac{a^\prime \left(t\right)}{b^\prime \left(t\right)} 
 +</jsmath>
 +
 +が有限の値に収束するなら、
 +
 +<jsmath>
 +\lim_{t\rightarrow 0}\frac{a\left(t\right)}{b\left(t\right)} = \lim_{t\rightarrow 0}\frac{a^\prime \left(t\right)}{b^\prime \left(t\right)} 
 +</jsmath>
 +
 +となる、という定理である。
 +
 +これで求まるのは原点モーメントなので、中心モーメントを求めるのは関係式
 +
 +<jsmath>
 +\mu=\mu_1=m_1-m_1=0, \, \, \sigma^2=\mu_2=m_2-{m_1}^2, \, \, \mu_3=m_3-3m_2m_1+2{m_1}^3, \ldots
 +</jsmath>
 +
 +などを用いるのは、直接計算と同様。
 +
 +== 他の分布からの計算 ==
 +
 +モーメント母関数からも確認できる関係。
 +
 +  * 互いに独立に同一のベルヌーイ分布に従うn個の確率変数の和の分布は二項分布に従う(ベルヌーイ分布の和は二項分布)
 +  * 互いに独立に同一の幾何分布に従うn個の確率変数の和の分布は負の二項分布に従う(幾何分布の和は負の二項分布)
 +  * 互いに独立に同一の指数分布に従うn個の確率変数の和の分布はアーラン分布に従う(指数分布の和はアーラン分布)
 +  * 互いに独立に相異なる正規分布に従うn個の確率変数でも、その和の分布は正規分布に従う(正規分布の和は正規分布)
 +  * アーラン分布はガンマ分布と同等
 +  * χ2乗分布はガンマ分布と同等
 +  * 発生間隔が指数分布に従う事象の、一定期間の発生回数はポアソン分布に従う
 +
 +他にも関係はあるけど、とりあえずこれぐらい。
 +
 +  - 互いに独立な確率変数の和の期待値は、それぞれの期待値の和
 +  - 互いに独立な確率変数の和の分散は、それぞれの分散の和
 +
 +はたたき込んでおくとよい。
 +
 +=== 計算の途中がない回答の取り扱い ===
 +
 +確率表は途中の計算を掲載したら分量が足りなくなるので、途中の記載がなくても正解とした。
 +
 +他の問題は、課題と同じ問題で答えのみの場合、には減点してある。例えば最後の問題では
 +<jsmath>
 +\int_0^1 \left(xy+\frac{\left(x+y\right)}{2}+\frac{1}{4}\right) dx = y+\frac{1}{2}
 +</jsmath>
 +という回答は、回答を覚えていただけなのか、計算して得た答えなのかの判断がつかないので、5点中1点とした。
 +<jsmath>
 +\int_0^1 \left(xy+\frac{\left(x+y\right)}{2}+\frac{1}{4}\right) dx = \left[\frac{x^2y}{2}+\frac{x^2}{4}+\frac{xy}{2}+\frac{x}{4}\right]_{0}^{1} = \left[\frac{y}{2}+\frac{1}{4}+\frac{y}{2}+\frac{x}{4}\right]_{0}^{1} = y+\frac{1}{2}
 +</jsmath>
 +は、途中がひとつ抜けても5点とした。
 +
 +課題にはない問題であれば、途中の記載がなければ、合っていたら5点、間違っていたら0点、とした。
 +
 +=== 部分点の方針 ===
 +
 +  * 最後の計算間違い: -1
 +  * 途中の式の軽微な誤り: -2
 +  * 頑張ったね・・・: -3
 +  * 途中の重篤な誤り: -4
 +  * 書いてある式から異なる: -5
 +  * 式を書いただけ: -5
 +
 +