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r:introduction [2020/03/08 22:02] – [Rの拡張はサードパーティが担う] watalur:introduction [2020/03/08 23:15] (現在) – [RよりPythonの方がかっこいいかもしれません] watalu
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 === Rはインタプリタ === === Rはインタプリタ ===
  
-次の5行は、Rで書いたHello, World!です。+次の1行は、Rで書いたHello, World!です。
 <code> <code>
 print("Hello, World!") print("Hello, World!")
 </code> </code>
 +
 +Rは関数型プログラミング言語であり、またオブジェクト指向言語です。
 +Rのコードにはmain関数やメインルーチンがありません。
 +インタプリタとしてのソフトウェアRにコードを読ませれば、即座に実行されていきます。
 +
 +Rコンパイラの要望があった時代もありましたが、現在ではインタプリタ=遅いという印象も払拭され、多くの言語は、その実装方針のまま受け入れられるようになっています。
 +
 +=== Rでできること ===
 +
 +統計学に基づくデータの分析やシミュレーションは、およそすべてRで実行できます。
 +機械学習の手法の多くも、Rで実行できます。
 +
 +=== Rが苦手なこと ===
 +
 +並列分散処理、特に大規模なものは、控えめに言えば得意でない、中立的に発言すると苦手、積極的に発言すると、かなり困難です。
 +
 +=== Rはデータサイエンス用ソフトウェア ===
 +
 +Rは[[https://r4ds.had.co.nz/index.html|データサイエンス用のソフトウェア]]です。[[https://online-learning.harvard.edu/course/data-science-r-basics|Harvard Universityのオンラインコース]]でも、[[https://ja.coursera.org/specializations/data-science-foundations-r|John Hopkins Univesityのオンラインコース]]でも、用いられています。
 +
 +=== RはPythonよりも古くはない ===
 +
 +Rが古く、Pythonが新しい、という雰囲気の話を耳にすることがあります。しかし開発開始から数えれば、[[https://en.wikipedia.org/wiki/R_(programming_language)|Rの最初の公開は1993年]]で、[[https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Python|Pythonの最初の公開は1991年]]ですから、Pythonの方が先輩です。参考までに、言語としてRの原典にあたるS言語は、両者よりもずっと古く、[[https://en.wikipedia.org/wiki/S_(programming_language)|最初のリリースは1976年]]でした。
 +
 +=== RよりPythonの方がかっこいいかもしれません ===
 +
 +Matplotlibを始めに、Pythonの幾つかのサードパーティが提供するライブラリやモジュールのグラフ描画機能は、センスがよく、商業レベルに近い緻密さを持ちます。
 +例えばWordCloudは、今ではRでも描くことが可能ですが、もともとはPython発でした。
 +Rのグラフ描画機能も柔軟ではありますが、Pythonが醸し出す格好よさには追いつけていません。
 +そのため主にRを使っている人でも、Pythonも使ってみることをお勧めします。
  
 === Rのコアチームの開発方針は堅い === === Rのコアチームの開発方針は堅い ===
  
-R言語はS言語の方言です。開発に当たって、頑固な後方互換性を原則としています。仕様の変更はほとんど行われません。そのため、何年も前に書いたコードは、今でも問題なく動きます。+R言語はS言語の方言です。開発に当たって、頑固な後方互換性を原則としています。仕様の変更は滅多に行われません。そのため、何年も前に書いたコードは、今でも問題なく動きます。
  
 === Rの拡張はサードパーティが担う === === Rの拡張はサードパーティが担う ===
  
-仕様の拡張はサードパーティにより、適宜行われています。機能の拡張もサードパーティにより、とても頻繁に幅広く行われています。+仕様の拡張はサードパーティにより、適宜行われています。機能の拡張もサードパーティにより、とても頻繁に幅広く行われています。Rの開発にかかわるサードパーティの多くは、様々な分野の研究者であり、Rの発展は彼らからの社会貢献と捉えることもできます。
  
 === RはGUIを持つ === === RはGUIを持つ ===
  
 WindowsとmacOS用に提供されているRのバイナリアプリケーションは、簡易なGUIを持ちます。 WindowsとmacOS用に提供されているRのバイナリアプリケーションは、簡易なGUIを持ちます。
 +Tcl/Tkを同梱しているので、Tkを用いたGUIの構築も可能です。
 Linux用のソフトウェアとしてのRは、コンソール用のソフトウェアです。 Linux用のソフトウェアとしてのRは、コンソール用のソフトウェアです。
  
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 R用のIDEは[[https://www.rstudio.com/|RStudio社]]から無償で提供されています。 R用のIDEは[[https://www.rstudio.com/|RStudio社]]から無償で提供されています。
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 +[[https://rkward.kde.org/|RKWord]]はQtベースのIDEです。
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 +[[https://www.eclipse.org/|Eclipse]]もRに対応しています。
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 +[[https://jupyter.org/|Jupyter]]もRをサポートしています。
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 +=== R用のエディタ ===
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 +Emacsを使う人は、ESSが必須でしょう。
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